臥位の胸部レントゲンの見方② 気胸編

呼吸管理

今回は第2弾:臥位レントゲンでの気胸について紹介します。「臥位レントゲンでの気胸の発見は難しい」というのは聞いたことある方も多いのではないでしょうか?立位とは違う臥位特有の気胸の所見を本日は紹介したいと思います。では見ていきましょう。

空気は一番高い所に溜まる 〜立位と臥位の空気の溜まる部位の違い〜

肺から漏れ出た空気は、その特性上一番高い位置に溜まります。立位の場合は肺尖部に溜まるので、肺尖部から空気で肺が押されて萎縮していきます。では臥位の場合はどこに空気が溜まるのでしょうか?臥位の場合は肺尖部ではなく下肺野から横隔膜のレベルが最も高い位置になるので、空気も下肺野から横隔膜、時に腹部レベルに溜まります(気胸腔が大きくなると最終的には肺尖部の方まで溜まり全体的に肺が萎縮します)。なので臥位の気胸は、まず下肺野〜横隔膜レベルに現れる所見を見つけることから始まります。

臥位気胸の特徴的所見 〜空気が溜まると黒っぽくなる〜

では下肺野や横隔膜レベルに空気が溜まるとどのような所見が得られるのでしょうか?教科書的には上の図の通り①上腹部の透過性が更新, ②deep sulcus sign(肋骨横隔膜角へのガス貯留), ③下肺野の透過性亢進, ④横隔膜ドームの輪郭の明瞭化, ⑤心陰影の辺縁が明瞭化が言われています。②deep sulcus signは聞いたことある方も多いかもしれませんね。といってと非常に難しいです。立位と違って、実質臓器の前面に空気が溜まるので、立位のように肺が萎縮して気胸腔が直接観察できる所見はかなり進行しないと認めません。ポイントは空気が溜まると透過性が亢進する=黒っぽくなる(上記特徴①②③)」「空気が溜まると隣接臓器の辺縁が明瞭化=はっきりする(上記特徴④⑤)」です。特に①上腹部の透過性亢進は②deep sulcus signと並んで特徴的な所見なので、ぜひ意識して見るようにしてみましょう。

今回は第2弾:臥位レントゲンでの気胸について紹介しました。臥位の気胸は難しいですが一定の頻度で出会う病態ですので、ぜひ所見を確認してみてください。次回は第3弾:臥位レントゲンでの胸水について紹介します。

おまけ 〜縦隔気腫を見つけられる?〜

臥位/立位で違いはないですが、気胸とよく似た病態で縦隔気腫があります(今回のCOVID-19でも経験された方もいるのではないでしょうか?)。縦隔気腫はその名の通り縦隔に空気が入り込む病態です。レントゲンでは縦隔に黒い空気の線が認められるようになります。これはそのつもりで意識して画像を見ないと、中々見つけるのは難しいかもしれません。ぜひこの機会に確認してみてください。

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