自発呼吸のある患者ではPCVもPSVも同じ??

呼吸管理

「先生、自発呼吸がある患者ですがPCV→PSVに変更すると1回換気量がとれなくなりました。。。」

人工呼吸管理における代表的なモードとして、強制換気においてPCV(Pressure Control Ventilation:従圧的換気(PC-A/Cと表記することも))と自発換気モードのPSV(Pressure Support Ventilation:圧支持換気(機種によってはSPONTの名称も))がありますが、どちらも吸気の際に圧をかけることで吸気のサポートを行います。PCVは強制換気なので呼吸回数も設定するので、患者の自発呼吸がなければ決められた回数で呼吸を行うことがPSVとの大きな違いです。では自発呼吸が十分認められ、呼吸回数の設定以上に呼吸している患者では、PCVもPSVも同じ状態と考えてよいでしょうか?
PCVとPSVは吸気の際の”吸わせ方”が違う!
ここでは患者の呼吸回数RR:15回/分、人工呼吸器の設定としてPCVモードで吸気圧 10cmH2O, 呼吸回数 10回/分、PSVモードでサポート圧 10cmH2Oの状況を考えてみます。
患者自身の呼吸回数は15回/分とPCVでの呼吸回数の設定より多いので、PCV、PSVどちらも患者の自発呼吸を感知し吸気が始まりサポートを行います。どちらも吸気時の圧サポートは10cmH2Oです。ここで、PCVでは「吸気時間」を設定するので患者は決められた時間(ここでは1.0秒間)サポートがかかります。ここが大きなポイントで、患者の呼吸に関係なく、人工呼吸器は最低でも1.0秒間はサポート圧10cmH2Oがかかるよう担保してくれています。
一方、PSVではどのように吸気時間が決まるのでしょうか?PSVでは吸気時間の設定項目はありません。代わりに「Esens」というものがあって、これは”最大吸気フローの⚪︎%まで下がれば吸気→呼気に切り替わる”というものです(ここでは25%)。よってPCVでは「吸気時間」そのものでPSVでは「Esens」で吸気の時間が決まります
ここで注意なのがPSVにおける吸気時間は、”あくまで患者の吸気フローに依存している”という点です。なので上図左のように患者の吸気がしっかりある場合は良いですが、図右のように吸気が非常に弱い場合はそれに応じて吸気時間が決められるので十分な吸気が担保されない、ということです。
このように一見同じ状況に見えても、自発はあるけど十分な吸気がとれない患者では、PCVではよくてもPSVに変えた途端に換気が入らなく状況が起こりうるので、変更の際には注意深く観察するようにしましょう。

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