抜管の失敗を減らすためにできる7つのこと 〜7 rules〜

呼吸管理
”How to optimize extubation?”というタイトルで、Intensive Care Medよりいかに抜管を成功に導くかについて取り上げられています。最新の知見も盛り込んであり非常に見やすくまとまっているので、本日はこちらを簡単に紹介したいと思います。
(7rulesは筆者が勝手に論文の内容を7項目にまとめたに過ぎません。すみません。)
Rule① 負担の少ないSBTを意識 〜PSV modeでのSBTのメリット〜
 (※PSV:pressure support ventilation(自発モード), SBT:spontaneous breathing trial(自発呼吸トライアル))
PSV modeによるSBTが2時間のTピースでのSBTよりも抜管の成功率が高かった要因として、重症患者においてより負荷の少ないSBTを選択することで、その後も無理なく呼吸を続けることができたと言われています。
Tピースを用いる場合でも、HFNCを併用したり、またSBT後に人工呼吸器に装着し患者に休息を与えることの重要性が説かれています。
”できるだけ負担を少なくし、患者を休める”という考え方は、抜管においても重要なスタンスなんですね。
Rule② 呼吸努力を評価するならTピースに軍配 〜Tピースのメリット〜
TピースによるSBTは、抜管後の患者の吸気努力を評価するのに優れているとされ、抜管失敗のリスクの高い患者ではTピースでのSBTを検討してもよさそうです。
またTピース以外にも、PSV modeですが”PEEP:0cmH2O、PS:0cmH2O”でのSBTも抜管後の患者の吸気努力の評価に優れています。肥満患者や心不全患者、COPD患者などではいつもの「PEEP:5cmH2O, PS:5cmH2O」で終わりでなく、ここまで評価してあげる方が良い場合もありそうですね。
Rule③ カテコラミンが低容量になるまで抜管は待ちたい 〜せめてノルアドリナリンは0.1γ以下で〜
高容量(0.1γ以上)のカテコラミン使用での抜管は再挿管率が高くなってしまいます。そもそもSBTに進む時点でカテコラミンは低容量に減量できていると思うので、実際の現場ではあまりカテコラミンが高容量の状態で抜管に進む場面は多くはないかと思います。
もちろんカテコラミンが終了できている状態が理想ですが、少量のカテコラミンが使用される状況は許容されています。これは少量のカテコラミン投与が残っていても、そのために体液バランスをマイナスで管理することで抜管後に陽圧がなくなっても呼吸を保つことができれば、その方がメリットが大きいという考え方です。
いかに抜管前に”肺を軽くする”ことが重要か、ですね。エコーでの評価の併用も推奨されています。
Rule④ エコーの評価は心臓だけではない 〜横隔膜も評価しよう〜
横隔膜の評価に関しては、ここ数年で目にすることも増えたのではないでしょうか。ベッドサイドで心エコーはルーチンで評価すると思いますが、ここに横隔膜も併用して評価するようにしていきたいですね。
Rule⑤ 気道閉塞への懸念は常に忘れない
研修医の先生などでよくあるのですが、「SBTが成功=抜管が可能」ではありません
咳嗽の有無や気道分泌物の量、またカフリークテストでリスクある患者へのステロイド投与など、必ず漏れることなく進めていきたいですね。
Rule⑥ 抜管後デバイスの選択 〜HFNOやNIVを活用できるように〜
こちらもここ数年で非常に多く報告されるようになりましたね。この論文では、心不全患者やCOPD患者、また肥満患者での抜管に際して、NIVの使用を特に推奨しています。HFNOに関して以前も本ブログで取り上げましたが、年々その有用性の報告が多くなっており抜管後デバイスのfirst choiceに考えても良いくらいです。抜管失敗を減らすために、少しでも懸念があれば積極的に使用を検討しましょう。
Rule⑦ 脳損傷患者の評価 〜追視や嚥下の重要性〜
こちらも以前に本ブログでも取り上げましたが、意識レベルの悪い脳損傷患者においては通常の抜管前の評価では抜管の判断が難しいです。そこで咳嗽や嚥下、咽頭反射、追視などもきちんと確認し抜管失敗のリスクを評価するようにしましょう。
Intensive Care Med. Mar 2023;49(3):337-340.より。筆者追記。)
【今回取り上げた論文】

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