カフリークテストはいつ行う?? 〜抜管後喉頭浮腫のリスク〜

呼吸管理

先生、カフリークテストを行うのはどのような場合ですか?

長期にわたる挿管管理は、喉頭浮腫を起こすことで抜管後の再挿管のリスクとなります。何となくイメージはできますが、では実際どのような場合に喉頭浮腫のリスクを懸念しカフリークテストを行うのがよいでしょうか?
3学会合同人工呼吸器離脱プロトコール
日本集中治療医学会・日本呼吸療法医学会・日本クリティカルケア看護学会の3学会合同のプロトコールです。非常に有名ですので、多くの方が目にしたことがあるかと思います。ここで抜管後気道狭窄のリスクとしてカフリークテストの施行を推奨している状況は以下の通りです
「48時間以上」がリスクになるのであれば、ICUでのほとんどの挿管患者が対象になってしまうような気がしますが・・・。ちなみに「大口径」は男性>8mm、女性>7mmで考えればよさそうです。
ATS Practice Guideline
次はATSでの推奨です。
日本の3学会合同プロトコールとほぼ同じような内容ですが、こちらは挿管期間が6日以上と現場感覚では現実的な数字の印象です。やはり外傷症例や予定外抜管後の再挿管など、緊急な状況で施行された挿管はリスクとなりそうですね。
カフリークテストの実際
カフリークテスト自体は実際どのように行なっているのでしょうか。以下は上記の3学会合同プロトコールで紹介されているカフリークテストの手順を復習がてら簡潔に記載します。
①人工呼吸器のmodeはA/C(強制換気)もしくはSIMV(送気量を一定にしたい)
②カフを抜く前の1回換気量を記録(基準になります)
③カフを抜き連続6回の1回換気量を測定
④上記③のうち低い方から3サイクルの測定値の平均値を算出(カフリーク後の換気量)
⑤「②の換気量」−「④の換気量」<110mLであればカフリーク陽性=上気道浮腫が存在
カフリーク陽性患者へのステロイド投与方法
ではカフリークが陽性となった場合にはどのようにあ対応するのでしょうか?
こちらも3学会合同プロトコールがわかりやすくまとめてくれているので引用します。

ステロイドは色々と報告がありますが、ここにある通り「抜管12時間前からmPSL 20mgを4時間毎に投与」が最も一般的でしょうか?当院もこの通りにステロイドを投与しています。ステロイド以外にも利尿なども必要であれば行たところですね。


以上、カフリークテストに関する紹介でした。ATSなどの海外文献はもちろんですが、日本の3学会合同プロトコールが非常に簡潔にまとまっているので(しかも日本語(笑))、ぜひ目を通しておきたいですね。
【参考文献】

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