「先ほど入院した患者ですが、ご飯あまり食べてないみたいなのでRefeeding症候群のリスクとして栄養の投与は控えますね。」
Refeeding症候群自体は広く周知されていると思いますが、そのリスク因子に関してはどうでしょうか?ただ「数日食事を摂ってない」ことがRefeedingのリスク因子として捉えられている状況をよく目にします。食事摂取以外にもリスク因子はあるでしょうか?
Refeeding syndromeのリスク因子
2020年のAspen(American Society for Parenteral and Enteral Nutrition)のコンセンサスから紹介します。
これらのうち1つでも認められればHigh Riskです。確かに7日以上摂取できていない場合もそうですが、他にも血清K, P, Mgにも注意が必要です。体重の変化やBMIも必ずチェックするようにしましょう。
項目は先ほどと同じですが少しその程度は緩いので、2つ以上認めれればリスクになります。
Refeeding sydromeのリスクとなりうる疾患にも注意が必要ですね。
Refeeding sydromeのリスクがある場合の栄養投与方法
High Risk患者に対してそれぞれ提唱されているアプローチです。いずれにしても共通していることは「少量から(=概ね5kcal/kg/day)始めて、数日かけて(=概ね4〜7日)かけて目標量に達する」ですね。
当然、その間も頻回の採血により、特に血清K, P, Mgの密なチェックは必要です。
このように見ると、これまで隠れたリスク因子を有する患者を見逃していたかもしれませんね。Refeeding syndrome自体は非常に奥が深く、またその対応にもまだまだ注意点がありますので、ぜひ参考文献に載せている文献もチェックしてみてください。
【参考文献】
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